簡単に言うと、躁状態とうつ状態を繰り返す病気のことです。
重要なのは、これら躁状態、うつ状態がある程度の期間継続することです。躁状態は少なくとも数日間以上、うつ状態は1ヶ月以上継続します。
ですから、「朝はうつ、夜はハイ(躁)」などの場合は躁うつ病とは診断しません。
また、うつでも躁でもない状態は寛解状態と言われ、寛解状態が1番長いのが普通です。
双極Ⅱ型障害(うつ+軽躁を繰り返す病気)の存在や薬屋さんの過剰な営業/啓発活動で誤診が非常に増えていると感じます。
そもそも躁うつ病は統合失調症と並び、わたしたち精神科医が古くから戦っている「精神病」であり、急に増えるものではありません。
精神疾患ではありますが、明らかに脳の病気であり、ある程度遺伝性もあります。躁うつ病は、「精神障害者」として障害者手帳が付与される精神病ですので、その診断にはわたしたち精神科医も極めて慎重であるべきです。
しかし現状、巷では「躁うつ病の安売り」、すなわち、「躁うつ病の過剰診断」が横行していることは非常に残念に思います。
『病気』と診断することで、その患者様は成長する努力を忘れ、病気のせいにして病気の殻に閉じこもります。わたしたち精神科医が患者様の人生を台無しにするわけにはいかないのです。
シンプルに言えば、過去に躁症状があったかどうかがポイントです(この問診には熟練した精神科医でも時間がかかるものです)。
その他、躁うつ病では20~30歳代の発症が多い、家族に精神病の人がいる、などの特徴があります。
いくつかうつ病との違いを列挙します。
抗うつ薬は使用しないのが通例です。躁転(うつ状態から躁状態に転じること)のリスクがあるためです。
気分安定薬(リチウム、バルプロ酸、カルバマゼピン、ラモトリギン、アリピプラゾール、オランザピン、クエチアピンなど)の継続内服を行います。
躁うつ病は『治る病気』ではなく、『付き合っていく病気』であり、半永久的に気分安定薬を内服することが推奨されます(もちろん減量は可能です)。
逆に、うつ病の場合は薬をやめていくのが通常の治療です。
脳内の神経伝達物質(セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン)のバランスの乱れが関係していると考えられています。遺伝的要因が大きく、家族に躁うつ病や統合失調症の方がいる場合、発症リスクが高まります。
過去の気分の波(躁状態、軽躁状態、うつ状態)を詳しく伺います。家族歴、発症年齢、症状の経過を総合的に評価し、慎重に診断します。誤診を避けるため、時間をかけた問診を行います。
当院では、スタンダード(標準)なガイドラインに基づいた治療を誠実に提供し、
最終的な卒業(終診)を見据えたサポートを行います。
躁うつ病は精神障害者として障害者手帳の対象となる病気ですが、必ずしも取得する必要はありません。症状の程度や生活への影響に応じて、申請するかどうかを相談して決めます。
はい、躁うつ病には遺伝的要因があります。家族に躁うつ病や統合失調症などの精神病の方がいる場合、発症リスクが高まります。診断の際に重要な情報となりますので、必ずお伝えください。
いいえ、違います。躁状態は少なくとも数日間以上、うつ状態は1ヶ月以上継続します。「朝はうつ、夜はハイ(躁)」などの日内変動は躁うつ病とは診断しません。
シンプルに言えば、過去に躁症状(気分の異常な高揚、多弁、浪費など)があったかどうかがポイントです。うつ病は気分の落ち込みだけですが、躁うつ病は躁状態とうつ状態を繰り返します。治療法も異なり、躁うつ病では抗うつ薬ではなく気分安定薬を使用します。
躁うつ病は「治る病気」ではなく「付き合っていく病気」です。糖尿病や高血圧と同じように、薬を飲みながら症状をコントロールし、普通に生活できる状態を目指します。減薬は可能ですが、再発予防のために長期的な治療が必要です。
琉球大学医学部卒
日本精神神経学会所属 / コンサータ・ビバンセ登録医 / 荖原病院 連携医療機関 / 東京医療センター 登録医 / 厚生中央病院 登録医
平成3年6月より成人から老年までの精神疾患の診断治療の研鑽を積み
2017年大岡山メンタルクリニック開業。