躁うつ病(=双極性障害)って?

簡単に言うと、躁状態とうつ状態を繰り返す病気のことです。

重要なのは、これら躁状態、うつ状態がある程度の期間継続することです。躁状態は少なくとも数日間以上、うつ状態は1ヶ月以上継続します。

ですから、「朝はうつ、夜はハイ(躁)」などの場合は躁うつ病とは診断しません。

また、うつでも躁でもない状態は寛解状態と言われ、寛解状態が1番長いのが普通です。

躁状態とうつ状態の症状

①躁状態の症状

②うつ状態の症状

誤診だらけの躁うつ病(=双極性障害)

双極Ⅱ型障害(うつ+軽躁を繰り返す病気)の存在や薬屋さんの過剰な営業/啓発活動で誤診が非常に増えていると感じます。

そもそも躁うつ病は統合失調症と並び、わたしたち精神科医が古くから戦っている「精神病」であり、急に増えるものではありません。

精神疾患ではありますが、明らかに脳の病気であり、ある程度遺伝性もあります。躁うつ病は、「精神障害者」として障害者手帳が付与される精神病ですので、その診断にはわたしたち精神科医も極めて慎重であるべきです。

しかし現状、巷では「躁うつ病の安売り」、すなわち、「躁うつ病の過剰診断」が横行していることは非常に残念に思います。

『病気』と診断することで、その患者様は成長する努力を忘れ、病気のせいにして病気の殻に閉じこもります。わたしたち精神科医が患者様の人生を台無しにするわけにはいかないのです。

うつ病と躁うつ病(=双極性障害)の違い

シンプルに言えば、過去に躁症状があったかどうかがポイントです(この問診には熟練した精神科医でも時間がかかるものです)。

その他、躁うつ病では20~30歳代の発症が多い、家族に精神病の人がいる、などの特徴があります。

躁うつ病(=双極性障害)の治療について

いくつかうつ病との違いを列挙します。

①抗うつ薬は使用しない

抗うつ薬は使用しないのが通例です。躁転(うつ状態から躁状態に転じること)のリスクがあるためです。

②気分安定薬の継続内服

気分安定薬(リチウム、バルプロ酸、カルバマゼピン、ラモトリギン、アリピプラゾール、オランザピン、クエチアピンなど)の継続内服を行います。

躁うつ病は『治る病気』ではなく、『付き合っていく病気』であり、半永久的に気分安定薬を内服することが推奨されます(もちろん減量は可能です)。

逆に、うつ病の場合は薬をやめていくのが通常の治療です。

原因・メカニズム

脳内の神経伝達物質(セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン)のバランスの乱れが関係していると考えられています。遺伝的要因が大きく、家族に躁うつ病や統合失調症の方がいる場合、発症リスクが高まります。

放置するリスク

当院の診断アプローチ

過去の気分の波(躁状態、軽躁状態、うつ状態)を詳しく伺います。家族歴、発症年齢、症状の経過を総合的に評価し、慎重に診断します。誤診を避けるため、時間をかけた問診を行います。