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パニック障害
パニック障害
パニック障害とは
突然、激しい不安感に襲われたり、胸がドキドキする、血の気が失せる感じがする、息苦しくなるなどの症状が現れたり、それらの症状を体験した後に「またあの症状が起きてしまったらどうしよう」という強い不安を感じたり、そのような症状が起こった場所や状況を恐れたり避けたりする病気です。
パニック障害の症状
- 胸がドキドキする
- 呼吸が早くなり、息苦しくなる
- 手足が震える
- 吐き気がする
- めまいがする
- しびれが出る
- 汗をかく
- 狂ってしまうのではないかという恐怖
予期不安
一度死をも覚悟するような激しい発作を体験すると、そのときの恐怖体験が頭に記憶されて「またあの発作がくるのではないか、起きたらどうしよう」と強い不安をいつも抱くようになります。そのような不安を予期不安といいます。
広場恐怖
パニック発作が起こった場所(電車、バス、飛行機など)や、その場からすぐに出ることが出来ない場所(渋滞した高速道路、止まった電車、映画館、美容院、歯医者)を過剰に怖がることを広場恐怖といいます。
広場恐怖がひどくなると行きたい場所に行けなくなるので、仕事、学校、家庭などの日常生活に支障をきたし、それが慢性化するとうつ病に発展していくこともあります。
当院でのパニック障害の治療
パニック障害の治療は、
①パニック症状自体をコントロールする
②予期不安・広場恐怖を軽減する
③パニック発作が起こり難い生活リズムにする
ことが中心になってきます。パニック症状のコントロールは抗うつ薬(SSRI)や抗不安薬によって調整します。
抗不安薬は即効性がありますが、依存性の問題もあるためSSRIの効果が出てくるまでにとどめることもあります。SSRIは効果が出てくるまでに2~3週かかります。
予期不安・広場恐怖の軽減には、治療意欲が関係してくるため個人差があります。予期不安・広場恐怖克服のためには、最終的には怖い場所に立ち向かうことになるからです。予期不安・広場恐怖の治療は、苦手意識や恐怖を完全に無くすことを目標としません。
毎日の生活で「自分がやりたいことをやれるようになる」ために、苦手な電車、バス、飛行機に乗る機会を自発的に作り、発作が起こった日、起こらなかった日を繰り返していきながら、「仮に発作が起こったとしても、自分なりに発作をコントロールできる術がある」感覚が持てるようになることが、病状の改善に有効だと考えます。
パニック障害の予防については、
①睡眠覚醒リズムの確立、
②糖分を控えめにしたタンパク質中心の食事習慣、
③運動習慣とした生活指導を行っています。
当院では下記の手順で進めていきます。
- 不安や恐怖の元であるパニック発作について「発作が破滅的な結果を招く」といった誤った認識の修正や「苦しみのピークはせいぜい10分~15分」「放置しても発作は自然消失する」などの正しい認識を伝える。
- パニック発作時に過呼吸にならない呼吸法を指導する。
- 薬剤調整により発作自体が安定し気持ちにゆとりが出てきたら、苦手な場所への段階的なチャレンジをすすめる。
- 予期不安・広場恐怖に対して過剰な恐怖が軽減し、発作自体に多少のコントロール感をもてるようになったら、睡眠・食事・運動習慣などの生活指導をして、パニック発作を予防していく。
- 日々の生活の中で「~でなくてはいけない!」「~しなくてはいけない!」的思想の方が多いため、慌てたり焦ったりする生活を見直し、リラックスできる時間を意識的に増やす努力をしていく
パニック障害は良い時期があったり悪い時期があったりなど波がありながらも、徐々によくなっていく病気です。
その中で予期不安・広場恐怖と向き合う事は、とても怖いことのように感じますが、担当医と相談して地道にやっていければ、完全克服できないまでも日常における大きな問題ではなくなってくると考えます。
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