「うつ」「デプ」など、最近では一般的に使用する単語になりましたね。ただ、『精神的な不調=うつ』ではありません。
ここでは当院で診ている「うつ」に関して説明します。以下では、『うつ』=『うつ状態』と考えてもらって結構です。『うつ病』とは使い分けます。
うつ病
→ 脳のレベルの病気
うつ(うつ状態)
→ 心のレベルの病気、状態
とざっくり考えてもらって良いです。
答え:違います。
逆に言えば、うつ病でなくてもうつ(=うつ状態)にはなります。ここで、『うつ病』と『うつ(=うつ状態)』は厳格に使い分けています。
適応障害、不安障害、恐怖症性障害、PTSDなどではうつ(=うつ状態)はほぼ必発です。
正直、若い人はうつ状態にはなっても、うつ病にはなりにくいです。
ただ、うつ病でないからといって、治療が必要ないわけではなく、しっかりと治療が必要です。
①憂うつな気分
気分が沈み、何をしても楽しくない状態が続く
②興味、喜びの喪失
今まで楽しめていたことで楽しめない、興味が沸かない、何をしても気持ちが上向かない
③疲れやすい、慢性的な倦怠感
常に疲れていて、何をするにもエネルギーが湧かない
※逆に、上記にあてはまらない症状はうつ(=うつ状態)とは異なります(ざっくりな話ですが)。
うつ(=うつ状態)の治療は次の3つです:①休養、②薬、③環境/ストレスの調整
もちろん、このほかに心理療法も入ってきますが、これについては私たちがやることです。患者様としては、上記の3つを意識して頂きます。
治療が必要なうつと考える場合、仕事があればできれば休職を考えます。仕事のない方の場合は1人の時間を作る、自分のために時間を使うなどを指導します。
1人1人、うつの原因が異なるため、患者様に応じた指導を行います。
うつ病(脳の病気)と考える場合は必ず薬を使用します。脳の病気=身体の病気であるからこそ、薬がよく効きます。
うつ(=うつ状態)の場合にはその限りではありません。安定剤や睡眠薬、漢方なども含めて、患者様と相談しながら方針を決めます。
もちろん、薬を使わないで治療を進めるすることも多いです。
これが1番重要かも知れません。これについても1人1人、うつの原因が異なるため、患者様に応じた指導が必要です。
職場環境の調整、人間関係の見直し、生活リズムの改善など、根本的な原因に向き合うことが大切です。
私たちがある程度自信を持って言えることは、
『うつ(=うつ状態)は必ず治る』ということです。
患者様によって良くなるまでの時間はまちまちですが、良くなります。(まちまちとは言え、1年以上も休職している場合は治療がうまくハマっていません)
「良くなるわけない」「もう終わりだ」と考える、その思考こそがうつの症状です。
うつは良くなります。信じて治療を続けましょう。
細かいことを言うと、確かにうつ症状がくすぶり続ける方もいらっしゃいます。その場合はパーソナリティの問題を抱えた方が多く、治療がうまく進まないこともあります。
これについても何かのきっかけで改善傾向となりますので、そのきっかけ探しが重要です。
うつ病は、セロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質のバランスが崩れることで発症します。ストレス、遺伝的要因、環境要因などが複合的に関与しています。決して気の持ちようや甘えではなく、脳の病気です。
症状の種類、程度、期間を詳しく伺います。身体疾患や他の精神疾患との鑑別も行い、総合的に診断します。必要に応じて血液検査なども実施します。